[コメント] 運動靴と赤い金魚(1997/イラン)
思うにあの金魚は・・・
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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結局金魚自体には意味はなくて、2人だけしか知らないハズの兄妹の靴のエピソード、実は水の中から毎日金魚たちは見てたんだよ、ってことじゃないんでしょうか?だから最後のお兄ちゃんの気持ちが分かるのは金魚たちだけで、彼ら(?)が傷口をそっと癒しに身を寄せてきた、そんなラスト・シーンとして見ました。そしてそんな金魚の視点は、監督や観客の視点であったりするワケで。
いろいろな靴、水路、先生の腕時計・・・その場の兄妹の視点に立ったような、日常的な対象を写すカメラがとても印象的。貧しいながらも、境遇なりにその場その場でいろいろ考えながらしっかり生きている、という素朴な力強さが伝わってきた。
ただあまりに先回りしたようなアクシデントの連続に、最初のうちはちょっと抵抗があった。なので途中からは厳しい現実のなかの些細な寓話、と解釈して見た。金魚の扱いを擬人化してみたのもそういう理由。そしてとりわけ印象的だったのはお兄ちゃんと大邸宅の子供との対比で、かたや貧しいが常に友達や家族が周りにいて、かたや物質的に何不自由なく暮らしながらも常に傍らにいる誰かを求めている、という描き方。これも何だか寓話っぽいな、と思う。
とはいえ社会的に厳しい現実が浮き彫りになっているのも事実。しかし国状や国民性みたいなものを十分把握してないので、いまいち理解しきれない部分もあったりする。とりあえずいろいろ考慮した上で、3.5点。
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