サム・ライミが、友人のコーエン兄弟の作品である『ファーゴ』に対して真っ向から挑戦したような映画だけど（実際、大雪の撮影に関しては彼らからアドヴァイスを受けているとか）、ビリー・ボブ・ソーントンはきっとサム・ライミの「シンプルな計画」では「切り札」になるはずだったに違いない。しかし、その起用が思い切り裏目に出た気がする。

だってもうビリー・ボブの演技が強烈過ぎて、他に何も思い出せないｗ　主役であるはずのビル・パクストンをはじめ、他のキャストも映像もストーリーも悪くないんだけど、彼一人が突出しているおかげで物語としてのバランスが崩れている。ほら、ここシネスケのキャスト欄でも、いつの間にかビリー・ボブがトップになっちゃってるしｗ

結局、サム・ライミはコーエン兄弟のような才人ではなく、ビジネス感覚のあるヲタクだったということかも。大ヒットした原作の映画化で、しかもプロジェクトを途中で他の人から引き継いだというのだから、これをもってそう決め付けてしまうのはフェアじゃないかもしれないけど。まあ、これで吹っ切れてスパイダーマンを作ったのなら、それはそれで立派なもんですな。

しかし、生まれつきのセレブであるはずのブリジット・フォンダは、育ちの悪い役が何故か妙に良く似合う。もしかして上手いってことなのかしらん？　ちょっと作品に恵まれない感じがするけど、いつか決定的な作品にめぐり合って欲しいものです。