[コメント] 日本沈没(1973/日)
隅田川の決壊で消滅した地域は墨田区、江東区、そして江戸川区の一部です!といった報告に愕然。てゆーかなんで台東区や中央区は無事なんだよ。「川向こう」ではない対岸地域のひとびとは、(その時点では)どうにか皇居へ避難できたということなのか…。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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いずれにせよ、大きな視点で語られるからこその市井のひとびとの無力さがよかった。
パニックシーンではない<東京の繁栄の様子>をきっちりと、しかもヘリからの視線も含めて見せておく、なんて演出も最高だったと思う。
ああ、そうそう。人間なんてしょせん虫ケラなんだよね。
冒頭の「半熟卵の地球」を脳裏に浮かべつつ、「地球は生きている」ということを実感しつつ、あてもなく町を逃げ惑うことができた。切実でありながらも、虚無感でいっぱいでもあった。生き残りたいと思いつつ、もうどうでもよいとも思った。
特撮のことはよくわからないけど、いくら技術が進んでも心情にリアリティがなきゃそこに現実感はうまれない。そこに自分を当然のように佇ませるなどということは不可能だ。
この作品には、一般市民それぞれに対する過剰なドラマや背景を排除した「突き放し」があったからこその、同調のしやすさがあった。デジャヴがあった。誰もが知っているひとだったし、実際のところ私は誰にでもなれた。だから妙にリアルだった。
遠い遠い記憶、まだ世界がつながっていた頃の記憶が、ふとよみがえってくるような気さえした。
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