[コメント] カプリコン1(1978/米)
「現実と虚構」「メタ映画」のテーマを掘り下げる道もあったろうが、それは中途で振り捨ててアクション映画に舵を切ったのはハイアムズの構築力の程度を鑑みれば正解だろう。頑張って航空映画をやっている。テリー・サヴァラスのようなキャラクタを登場させるのも好感が持てる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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三人の飛行士(ブレンダ・ヴァッカロ、サム・ウォーターストン、O・J・シンプソン)が砂漠に逃亡してからは、彼らの「砂漠」のシーンとエリオット・グールドや博士ハル・ホルブルックらの「街」のシーンが交互に展開されるのだが、そのシーン間の時間経過がちょっと分かりづらい。街のシーンは数日間、砂漠のシーンは数時間の間の出来事を描いているように見える。サスペンスを高めるにはこのあたりの時間処理をもっときっちりやっておかねばならないだろう。
しかしなかなかケレン味のある演出で楽しませてもくれる。砂漠を逃亡中のウォーターストンはひとりジョークを飛ばしながら岩壁をよじ登るのだが、ようやく登りきったと思ったら既にヘリコがいる、なんていうのはやっぱりよいし、飛行士らが捕まるときに(というのはつまり殺されるときなのですが)仲間に向けて出す合図の照明弾が、その絶望的な状況にそぐわないひゅるひゅる〜という間の抜けた音を立てるというのも面白い。総じて砂漠のシーンは(私が砂漠好きであることを差し引いても)よくやっていると思う。
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