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[コメント] 海峡(1982/日)

映画的には貫通しなかった。
tora

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







健さんの土木技術者役っていうのも珍しくて別に悪くなかったし、特に森繁久彌のアドリブ入れまくり(?)な演技も骨太でよかった。若く破天荒な三浦友和もよかった。何よりもテーマがいいし、地味だけどメタルカラー(死語?)はやっぱかっこいい。ただ、尺が長めな割に工事の進捗状況が省かれ過ぎていて、その分、無駄な人情物語が随所に見受けられた気がする。筒から心太を抜くように青函トンネルが貫通したような印象だし、苦労の蓄積が「なんとかX」ほど感じらない分、映画的には貫通しなかった感。また、吉永小百合さんをもっと効果的に使えなかったものか。幸薄い役柄の割には太陽のように目立ち過ぎて、少し違和感を覚えた。現在なら木村多江辺りが適役か。

この作品に喚起されて、阿久津のモデルとなった持田豊さんの著作を読みたくなったが・・どこにも置いてないのが残念。劇中「ここを新幹線が通るんだ」という台詞があったが、未だに実現されていないのも何気に悲しかった(とりえず新函館までの整備が決定して、やっと新幹線が青函トンネルを走る目処はついたが)。そういや、青函トンネルのようなワクワクさせる国家的大規模プロジェクトとか、最近あまり聞かないなぁ。

(評価:★3)

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