[コメント] 真夜中のカーボーイ(1969/米)
言いたいことはイロイロあるけど、あの邦題は水野晴郎ちゃんが「カウボーイよりカーボーイのほうがナウいから」ってんでつけたんだそーな。『007危機一発』といい、ハタ迷惑な方だ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「いや、あれはあれでいいんだ」と当時の宣伝担当者は言うのだ。「西部劇は落ち目で客が呼べなかった時代だし、カーボーイなら〈何だろう〉と観客は考えて足を運んでくれるだろうし…」
まったくもってその通りなのだ。カウボーイ発祥の地でも、既にそれは絶滅寸前だったのだから。
でも、ジョン・ボイトはカウボーイたらんとする。馬の代わりに女に馬乗りになり、新鮮な牛乳の代わりにドラッグ入りの酒をあおる。でも、彼はヒーローにはなれないのだ。インディアンの代わりに襲ってくる「孤独」には、誰も抗すべくもないのだから。
結果、相棒となったダスティン・ホフマンとともにボイトは車上の人…「カーボーイ」になる。だがハンドルは運転手に預けたおよそ冴えないカーボーイだ。ホフマンが失禁しても、挙句の果て車上で絶命してしまっても、預けたハンドルを取り返すことはできない。情けない狼狽とともに親友を隠すボイトは、やはり「カウボーイ」にはなれなかった。
そう思うと、このチンケな邦題が、いやに哀感を帯びたものになってくる。
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