[コメント] ブルークリスマス(1978/日)
俺の求めていたハードSFがこんなとこにあった。スピルバーグに観せてやりたい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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知らなかった。 公開当時、おすぎがボロクソに言っていた事と興行的に大コケした事だけが、中学生時代の私の幼い脳に焼きついていた。ハナっから出来損ないの三流SFと決めつけ、何故「岡本喜八が?」と思いながら相手にしていなかった。 知らなかった。びっくりした。こんな優れた作品だったとは。
スピルバーグが脚本を書き換える前は政治陰謀色が強かったという『未知との遭遇』。その本来あるべき姿が、そして『シンドラーのリスト』よりも強烈な“差別される側”の恐怖が、ここに描かれている。 ストーリーの根幹、そしてテーマの根幹に設定が必然として関わってくる。SFはこうであってほしい。
台詞の変更が一切許されなかったという倉本脚本を、喜八リズムが凌駕する。 特撮なくてもスケールの大きな奥行きのある話が作れるんだなあ。
以下、まったくの余談
演出的に興味深かったのは、アメリカで人探しをするシーン。こんなに「すごーく探してる」感が強い人探しシーンを初めて観た。短いカットで何人もに質問しては知らないと言われるシーンはよくある。岡本喜八はそれを<<親オブジェクト>>として一度見せた後、歩いているシーンと日めくりカレンダーをカットバックする<<子オブジェクト>>を入れる。非常に感心した。勉強になった。
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