[コメント] イヴの総て(1950/米)
イヴの総てといいながら、語られるのは舞台をとりまく人間模様である、というヒネリからして好み。油断も隙もまったくない、パワフルな展開。いろいろな人物がこだまし、共鳴してこそ物語り。拍手。
「シートベルトはしっかり締めてね、今夜は荒れるから(うろ覚え)」など、逐一メモをとりたくなるような気の利いたセリフが満載、いちいち心憎い。
まったく動かないスティルなカメラが効果的だと思いました。なぜなら、カメラはただただ「起きていること」を淡々とそのまま観客に見せているだけであり、誰に肩入れをするかは観る側の自由であるところに、懐の深さというか、器の大きさを感じます。
こういう丸投げ的な人間模様こそ、古きよきストーリーテリングの見本ではないでしょうか。
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