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[コメント] ソドムの市(1975/仏=伊)

悪意にも見せ方はいろいろあるだろう。
グラント・リー・バッファロー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







何となく予想はついていて今まで避けていたのだが、それでも一度は観たほうがよいと知人に勧められての鑑賞。予想通りのただただ残酷で気持ち悪い映像がピアノの調べとともにダラダラと続いていく。

この作品の本質は悪意の表出にあると思う。ただいくら対象が悪意であるとしても、それをどう見せるかは問われるべきだろう。デビッド・リンチフランソワ・オゾンも時におぞましい映像と悪意を見せつけてくれるが、彼らの作品には一定の緊張感が保たれている。それにひきかえ本作では、あの自ら排便をする男の恍惚とした表情が示すように、弛緩の度合がひどい。

本作はファシズムに対するアンチテーゼと解釈する見解があると聞き及んでいるが、とてもそうとは思えない。『鬼畜大宴会』同様背景を借用しただけにすぎず、あくまで中心はあの特異な閉鎖社会の描写にあると思う。自分がまだまだ未熟なだけなのかもしれないが、本作には芸術性をかけらほども感じなかった。

(評価:★1)

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