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[コメント] ベニスに死す(1971/伊)

一見アブナイおやじの妄想話にしか見えないのだが・・・
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







・・・本当に妄想話ではないかとふと気付いてreview全面改定。

夢のように美しく印象派の絵画の様な映像。甘美なメロディー。砂時計のような静けさ。霧の中から浮かび上がるようにやってくる船。 そして荷物の誤送という笑っちゃうような間抜けな理由で抜け出せない街。

もしかするとアッシェンバッハは既に死んでいるのではないか?

この街は死後の世界。三途の川を渡った所(西洋に三途の川はないが)。 そう考えるといろいろ辻褄が合ってくる。 天国の入口で、彼はやっと理想の“美”に出会い、その一方で己の人生に苛まれる。 この世のものとも思えない醜悪な化粧まで合点がいくような気がしないか(もちろん美の対比ではあるのは言うまでもないのだが)。

これは『ベニスに死す』ではなく、「大霊界〜死んだらベニスだった〜」というのが正しいのではないのだろうか(ああ怒らないで。物を投げないで)。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)けにろん[*] ジョー・チップ たわば[*]

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