[コメント] ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(1999/独=米=仏=キューバ)
私が政治に興味を持ったのは、高校生の時だった。 日教組の強い公立高校で、日本史担当のまだ若い先生が、被差別部落、 在日朝鮮人問題など、自らテキストを作って教えてくれた。 (今考えると、ちょっとマズイんじゃないかとも思うんだけど…) 私は、まだ10代で、何かに怒っていたのかもしれないし、 自分の中でモヤモヤする気持ちを言葉にできなくて、イライラしていた のかもしれない。だから、この先生の授業にかなり影響を受けてしまい、 受験勉強そっちのけで、図書館で文藝春秋を愛読するヘンテコリンな子になった。(学校では、ファッションと男の子の話しかしなかったのに)
世界を資本主義とか社会主義なんて区別するけど、そこに住んでる人々は おおらかで、当たり前だけど、善人もいれば悪人もいる。 資本主義=善、社会主義=悪なんていう勧善懲悪の図式を作るのは、 為政者たちの洗脳なんじゃないかなぁ、と思っていた。 で、高校卒業後、さらに政治を詳しく勉強したかと言うと全然で、 どちらかと言えば、アート系の世界に魅了されてしまった。
この映画、一度目に観賞した時は、音楽と風景が心地よかった。 ジジイたちの、生きざまに、ただただ惹かれた。 でも、今回見て、カーネギー・ホールでキューバの国旗をあげて、 拍手を浴びるってスゴイことなんじゃないかな? と思った。 だって、アメリカンって、恐ろしいほどアカ嫌いじゃん。 音楽が、イデオロギーを無視させるって、ジョン・レノンの世界かも なんて考えた。
私は、あまり難しいことは知らないし、キレイごとなのかも しれないけど「戦争に反対する唯一の手段は、各自の生活を美しくして、 それに執着することである」という吉田健一(茂の息子で英文学者)の 言葉を実行するしかないんじゃないかな? と思う。 たぶん、BVSCの老人たちが(あくまで映画だから綺麗なトコしか撮らないとわかっていても)、美しく生きてきたから、感動したのでしょう。 そして、アメリカ人に拍手をもたらしたと…。 しかし、ジジイたちが、アメリカの大統領のフィギュアを見て、 誰だかわからなかったのは、とてもカワイカッタ。
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