[コメント] カイロの紫のバラ(1985/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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たまたま直前にエドワード・エベレット・ホートンの出演してる映画『コンチネンタル』を見てたので、映画内映画の「カイロの紫のバラ」は「自分は知らないけど知る人ぞ知る映画」なんだろうとばっかり(エドワード・エベレット・ホートンにそっくりな役者が出てるんだもの)、正にジェフ・ダニエルズがスクリーンから出てくるその瞬間まで思ってた。(個人的にジェフ・ダニエルズについて印象が無いのも幸いした)その時の衝撃と嬉しさを思うと、この映画に4点以下は付けられない。 ウクレレのシーン、バンマスがタップを踊りだすシーンとかも素晴らしかったし。 こういう小粋な映画はウディ・アレンは本当に巧いなと思う。
エンディングについて。
普通に考えて、流れ的にあれ以外やりようのないラストだと思う。しかしあれだとミア・ファローが身のほど知らずにも現実で夢を実現しようとしたのが馬鹿だった、みたいで心晴れないんだよな。馬鹿は罰を受けるのが当然、みたいな感じで。まあ馬鹿だったと思うし、現実はそんなもんだよねとも思う。それを映画が慰めてくれるよってのにも頷けるし、ミア・ファローの最後の表情はやっぱり感動的ではある。
それでも何か他にやりようはなかったかと考えてしまうのは、この映画が主張する「映画が心のキズを癒してくれる」ていうテーマを、よく考えるとこの映画自体が裏切ってるからなんだと思った。なんというか、夢破れちゃってるんだよなぁ。
そう言えば『ベティ・サイズモア』はこの主人公の弔い戦みたいなことをやってる映画だった気がする、この映画のラストがもう一つ気に入らない人にはオススメです。
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