[コメント] ミツバチのささやき(1972/スペイン)
30年ぶりの鑑賞でイサべルに心を奪われる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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僕の記憶が正しければ、初期のパンフレットに、淀川長春がアナ・トレントを評して「よくもこんな可愛い子がいたもんだね」と発言したと書いてありました。もちろん僕自身も純粋さを体現したようなアナ・トレントのでっかい瞳に心を持っていかれました。
さて、30年ぶりに鑑賞すると一番気になるのはイサべル。知ったかぶりをして嘘をつき、猫の首を絞め、血を口紅代わりにし、死んだふりをし、焚火を飛び越える。他の方のコメントにはイジワルとかズルいとか狡猾と言った評が並びますが、この家族の中で現在進行形で生きているのはイサベルのみ。そこがフランコ政権への批判に繋がるのかもしれませんが、最も人間的な活力に溢れています。うん、友達になるならイサベルだな。
あっち側へ行ってしまったようなアナがこの後イサべルや母親によってこちら側へ連れ戻されるのか、あちら側で新たな世界を構築するのか興味がありますが、父親はあまり役にたたなそうですね。
錚々たるコメントが並ぶ中での今さらのコメントなので、自分が判ることを。 調律が狂ったピアノで母親が奏でる曲はソロンゴ。古いスペイン民謡ですが、詩人ガルシア・ロルカが採譜して有名になった事から、スペイン人であればこのメロディからスペイン内戦で銃殺されたロルカへ思いが及ぶものと思われます。詩も残されていて、思いの届かぬ恋人のことを歌っているようです。
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