実話だと言われちゃどうにもなるめぇ（笑）。

あまりにもよく出来たハナシ。炭坑労働に象徴される地上の現実、そこから見あげられた星の世界への憧れ。これが階級社会のイギリス映画なら青年は親父の後を継いでいたと思う。それはけっして敗北ではあるまい（半分願望）。（でも『リトル･ダンサー』の親父は物分かりよかったな。）

原作はもっと科学的考証のディテールや人物が丁寧に描出されているらしい（実録なんだから当然だけど）。あえて言えば、“もとよりアメリカ的な成功者神話を糊塗するに都合のよい実話をさらにそれらしく纏めあげた映画”？･･･勿論後味は悪くないけれど。ホーマー君の親父がファザーレスな息子の友人を守ろうとするところなんぞは、泣けます（＝わたくしの人間証明）。

ひねくれているように思われるかもしれないが、どうもキャスティングにしても、最後の８ミリフィルムにしても、出来過ぎと思えて仕方なかった。