[コメント] グリーンマイル(1999/米)
人種差別が色濃く残る1935年というのが、悲しい。今だったら有能な弁護士がいてくれるはず。そのにっくき弁護人をゲーリー・シニーズがやっているのは、豪華というか、やっぱ彼は悪役が多いなぁ。悲しい〜と思わずにはいられない。 ちょっとした出来事も、次への伏線になっているという、まったくもって隙のない映画だった。一言でも聞き漏らせない…聞き漏らしたくないという感情を起こさせる所はすごい!! 「役者だなぁ」と思ったのは、トム・ハンクスがマイケル・クラーク・ダンカンに気(?)を移されるシーンで、「アハァ」と気の抜けるような声が忘れられない。強い感情を貰ったら、「うぅ!」っという力の入った声ではなく、全身の力が抜けてしまうような声になると思う。さすが。やっぱりこの人は、違うと思った。 そして、妻役にハンクスと同年代のボニー・ハントをもってくるあたり、演技へのこだわりと、リアリティへの追求が伺える。 ある番組で、トム・ハンクスが、「ハリウッドスターは、役で若い奥さんを持ちたがるは、それはどうかと思う」というような発言をしていたので、この映画にもその言葉の真意が伺える。 デビッド・モースを筆頭に看守達みんな良かった。無口だけど優しさを醸し出しているバリー・ペッパー、驚いた時の顔に人の良さが浮かぶジェフリー・デマン。看守4人の温かさが心地よかった。何でこの人が死刑にされなくちゃいけないんだろうと、涙を誘ったネズミ使いのマイケル・ジェターの表情もいい。 ただ一つ難を言えば、サム・ロックウェルが愛すべきキャラに見えてきて、どうも心からの凶悪犯に見えなかった。看守の癖に人柄が悪く、情状の余地のないダグ・ハッチソンに比べ、時折見せる愛らしい表情がどうも憎めなかった。
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