[コメント] アギーレ 神の怒り(1972/独)
密林の大河を旋回するいかだは粗末な舞台(ステージ)のようだった
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ステージで繰広げられる滑稽な寸劇。叫びも銃声も砲撃も刹那静寂に敗北する。宣誓も宣言も裁きも自然の中の点景でしか表されていない。そう、いかだでなくとも国家や人類だって同じなんだと感じさせる。
男の狂気をなぜこんなに静かに美しく描くのだろう、宙に浮いた帆船はあまりにも美しかった。
すべては掌のなかの出来事、なんとも的確に我々を支配する神を映し出している。
※シネスケでこの映画が『地獄』にヒントを与えたと知り観賞したのだけど、この俯瞰の映画から、ジャングルを焦がすナパーム、爆風で波立つ河(サーフィン!)、天空を支配するヘリとシンフォニーにはじまり、どこまでも、奥奥奥、人人人、闇闇闇、と繋がる深化(ここでは執拗に人間しか描かれていない!)の映画が産まれるというのも対称的でおもしろいなあと思いました。
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