[コメント] 復讐は俺に任せろ(1953/米)
ラングの影の演出は健在もそれ以上の個性的な筆致は見当たらないSO-SOノワール
B級の宿命である俗っぽいドラマについては言うまでもないが、そのタッチにフリッツ・ラングらしい個性的な魅力が見当たらなかった平凡なハードボイルド・ムード作品である。グレン・フォードの行動を追うことのみに終始してしまうため、彼の怒り、徒労感といった共感を誘発するような深みのある内面描写をものとすることができず、同様にグロリア・グレアムにしてもその行動の意味づけを納得させる描写が欠如している。映画の内に入れず遠巻きに見えてしまう傍観ムービーといった風采である。得意のハードボイルドな世界観に薄味ながらラング印の影の演出は効果的な表情を見せたが、あの画面に湛えられる寡黙なヴァイオレンスが見当たらなかったことが残念。凡百。
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