[コメント] 家庭(1970/仏=伊)
ルームメイトとやり取りするキョーコの芝居が強烈なのは、演出の統制が及ぶべくもないからだ。あの不穏さは、感情のマグマ溜まりとして働き、語彙の制約でそれを直截に表現できないほど、官能のほてりは匂うように、大気に拡散する。
レオが、この気まずさにまるで感応しないのは、苛立ちを誘うのだが、今回やたらと脱ぎたがる彼の裸体には、キャラクターの造形とはおよそ似つかわしくない、隆々とした筋肉が備わり、違和感を爆発させる。気まずさは、実のところ、裸体に表現されている。これらの緊張が、女の本音にたどり着くことで、一気に寛解する様はえらい。
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