[コメント] 風の又三郎(1940/日)
風への志向性は当然ながら、ピカピカ光るものへのこだわりも見えて興味深い。又三郎が着ているレインコートのようなマントはガラスで出来ていて、激しく光っている、という原作の映像化だけにとどまらず、
先生の眼鏡も太陽光を受けて度々光るのだ。あるいはランプの光源を取り入れた画面も指摘できる。
また、後に名脇役となる三人の子役時代を見ることができる。又三郎でもある北海道から来た洋装の少年・三郎は片山明彦。戦後でも、二枚目役で見たことがあるが、子役時代の片山は、かなりの美少年だ。教室の中で一人佇む横顔で登場する。二人目は、多分、一番年長(6年生)の少年を演じる大泉滉。この頃は大人になってからと違い、しっかりと喋っている。大泉らしくないなぁと思いながら見た。そして、ガラスのマントの又三郎に出会うカスケ少年の姉の役は風見章子がやっており、初々しくとても可愛い。
「どっどど どどうど どどうど どどう」から始まる例の歌が何度も唄われ、耳に残る。ラストも、急に北海道に帰った三郎を偲び、子供達が校舎の窓から空を見上げ、この歌が唄われる。校庭の旗竿に掲げられた日の丸を手前に映し込んだ校舎のロングショット。これは模型か?全体にチープな作りだが、一所懸命、工夫を凝らして作られていることは、ようく伝わる。
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