最近の映画と比べるとさすがにテンポはやや遅いけど，それを感じさせないくらい面白い。それに軽妙洒脱というか，何とも洒落ていて上品だ。ギャグも（当たり前だけど）古典的なのに，ついつい吹き出してしまう。本当に，このセンスはさすがとしか言いようがない。

それにしてもヘンリー・フォンダが「そこまでやるかっ！」ってくらいにコケまくる。今まで想像もできなかった彼のドジぶりは，『荒野の決闘』などとはまったく別のイメージで，とても新鮮。なかなかいい。

マルクス兄弟も大好きだけど，こういう上品なスクリューボール・コメディと比べると，いかにも泥臭い感じがする。（まあ，そこがマルクス兄弟の良さなんだけど…。）