[コメント] EUREKA(2000/日)
主人公達をロングで捉えるカメラが非常に印象深い。画面の奥に消えていくバスの寂寥感や、風景の中にポツリと存在する生命感。セピア調に彩られた三時間半にどっぷり浸かった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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観る前はずいぶん長時間な作品だなと。でも観終えて、この長さは全く無駄ではない、むしろ主人公達の負った傷は時間しか解決する術はないのだと。いや、完全に癒える事は難しいだろうが、ラスト、妹の発声が冒頭のネガティブな発声を打ち消す迄にはこの長さ(時間的にも映画的にも)が必要だったと言うか、非常に効果的だったと感じた。
バスジャック犯が発した「今の自分じゃなくなりたい」 この事件を契機に主人公達はまさに自己の崩壊に苛まれるわけだけど、ひと(他人)の為に生きてゆく事を決意した元バスの運転手に、ひと(身内)の為に生きてゆけなかった両親を持つ(持っていた)兄妹は、徐々にシンクロしていく、、、 そして1枚1枚貝殻を投げながら叫び、ようやく事件を受け入れる事になる妹。
三時間半の長丁場を後にして思った、、、これからが主人公達の始まりなんだなと。 どのような未来かは分からないけど、一つのきっかけを提示したラストに真摯な優しさを感じ、主人公達のその後に思いを馳せる。
何とも言えない余韻が残る好きなタイプの作品だった。4.5点。
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