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[コメント] サイダーハウス・ルール(1999/米)

我々が支配されている「常識」を、控えめに、それでいて根源的な部分で揺さぶってくる。
緑雨

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







我々が一般に「規範」だと思っていること。この映画ではその「規範」がたくさん破られる。堕胎、子捨て、経歴詐称、横恋慕、浮気、近親相姦、自殺・・・。

ところがこれら罪深き登場人物たちは、物語の中で強く糾弾されない。美しい風景、音楽、人々の笑顔はむしろ、これら罪深き人々を受け入れているかのようである。

このような描き方をされると、我々が常々守られるべき「規範」だと思っていることの絶対性が揺さぶられる。いったいどうしてそれが「ルール」なのか?サイダーハウスの小屋の壁に掲げられた紙っぺらのようなものではないのか・・・

我々が支配されている「常識」を、控えめに、それでいて根源的な部分で揺さぶってくる。なかなかに深い映画だ。

(評価:★4)

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