ドラえもん映画のヒロインの中でこれほどの美少女がいただろうか。ピンク色の長い髪、くりくりの瞳。こんな可愛い子、今まで見たこと無いなあと開始早々引き込まれる。リルルのキャラクターで掴みはOK。

そして、ヒロイン（もしくはヒーロー）が「最初は悪役」って設定は珍しいように思う。他ドラえもん映画のヒロイン・ヒーローは大抵「巨悪な敵に虐げられてる良い子ちゃん」みたいなキャラで、その良い子っぷりにちょっとイラッとすることも多々ある。しかしリルルは違う。悪役っぷりが実に活き活きとしており、それがビジュアルと合い重なってとても魅力あるキャラになっている。彼女がしずかちゃんに飲ませてもらった薬を吐き出すシーンは驚きつつもグッと来た。

その後の彼女としずかちゃんとの関係ややり取りも非常に良い。この映画の成功のポイントは、リルルのキャラ造形と設定の良さに因るものだろう。

また、鏡の中の世界で街の看板やスーパーの商品の文字までもが鏡文字になっているのが楽しい。ドラえもんって、こうしたワクワクする描写に手を抜かないから好きだ。