[コメント] ジュブナイル(2000/日)
SFの持つ魅力的なガジェットの使用や日常の巧みな切り分けで、スマートなファンタジーを作り上げ、邦画の一番苦手な部分を上手く克服している映画。余韻を残さないエピローグを選択しなかったことはマイナスだが、その後のスタッフロールの8mmに併せてかかる山下達郎のテーマ曲は上手く映画を補完している。
まず、この日本でやっと、ロジカルなSFでもなければ、作り手の願望だけが暴走したファンタジーでもない、スマートなサイエンスファンタジーが作られたことに拍手。
子供人物像が、今の子供願望を充足したものじゃなくて、作り手世代の子供増が投影されているのはマイナスだが、昨今の、子供をバカにした、子供騙しの多くの子供向け作品やら、ヒルディングロマンを勘違いして説教クサイ作品やら、大人世代の醜い願望としての、児童向け作品とは一線を画してるあたり、作り手は実に真摯で、助長な描写もその発露と思えば、決して憎めない。
一つの映画として見た時、日常の延長戦上のファンタジーをここまで、映像面でも、世界観ででも、実写で魅力的に取った作品は、邦画では数少ないのではないか。
実に見ていて気持ちいい作品でした。
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