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[コメント] メリー・ポピンズ(1964/米)

いわゆる「ディズニー映画」とは確実に一線を画す秀作・・と思ってる
YO--CHAN

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







人間誰でも7才・8才にもなれば「世の中なんてこんなもんか」という諦めみたいなものを学んで(?)ゆくと思う。

「お父さんお母さんのいう事なんていつもおなじ」 →「大人なんて結局こんなもの」 →「世の中だって知れたもの」

 こんなこと現代でもますます健在だと思うけど、ディズニー氏は、せめて子供のうちからそんな風に諦めてほしくなかったのかもしれない(・・・と言うとまるでディズニー信徒ですけど)。

この映画の中の子供はやけに暗い。それがまた妙な現実感を醸し出す。メリー・ポピンズ嬢も決して「特撮ですべて解決型ヒーロー」ではなく、子供と親(と観客)に何かを残して去ってゆく、「触媒」の分を決して超えない潔さがある。

それが『メリー・ポピンズ』を、お子様ランチを遥かに超えたものにしている一因ではないだろーか。「車が空を飛んでファンタジー」とかではない、どこか真摯でゴマカシがないのである。これは現在のディズニー映画にも欠けている要素だと思うのだが・・・ ディズニー社の重役が「会社役員なんてこんなもの」と諦め、興行収益やジグソーパズルの売上に血道を上げる様にならないことを祈る。 本作の子供の2ペンスをぶんどる銀行重役(と、その俳優さんの正体)を見るにつけ、ディズニー氏は既に何かを予見していたのでは!?と思わざるを得ない(のか?)

「ファンタジーが触媒となって現実に夢を持ってまっすぐ生きる事を学ぶ」(実も蓋もない言い方ですが)という点、テリー・ギリアム監督『バロン』とも一種通じる作品かもとも思うが、『バロン』は本作より明るい分、どこか皮肉で悲観的な気がする。『メリー・ポピンズ』の様な映画が今後十年くらいででてくる事を期待してるけど・・・十年ではムリか!?

(注)えらそうな事書いて失礼しましたm(_ _)m 大ひいきの作品なもので・・・

(評価:★5)

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