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[コメント] ザ・セル(2000/米)

映画としてはもう少し独自の異様な世界観を作り出して欲しかった。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







猟奇殺人犯の脳に入り込む女心理学者の映画。ヴィンセント・ドノフリオ演じる殺人犯カール・スターガーの脳の中の世界が不可思議な精神世界というより、何か芸術面を強調した世界になってしまっている。これはこれでいいのだが本来、精神世界ならもう少し犯人の生活環境と結びついた世界が展開されてもいいような気がする。またジェニファー・ロペス演じる心理学者キャサリンの精神世界でのアラビア調の衣装もどういう発想のものなのかよくわからない。脳の中では彼女はああいう服装にしたいと望んでいるのだろうか。それと脳にダイブする前に被験者とダイバーの顔に基盤の入った布のようなものをかぶせるのだが、どう考えても窒息を促すものだし布のようなものでなくても代替策は他にもあると思うのだが。内容的には昏睡状態の殺人犯の脳に入り込み、殺人犯から昏睡前に誘拐した女性の居場所を聞き出すという時間制限のある緊迫感はあるが内容の主体自体は結局中盤で終わってしまっているのでなんか拍子抜け。ただ殺人犯をやっつけるのではなく殺人犯のトラウマを解消してやろうという善意の映画なので腸を機械で巻き取るなど残酷なシーンもあるが、後味はさっぱりとした希望のある終わり方となっている。とはいえ、精神世界の描き方が注目される映画だけにもう少し独自の異様な世界観を作り出して欲しかった。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)おーい粗茶[*]

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