[コメント] 天井桟敷の人々(1945/仏)
映画を見終った人むけのレビューです。
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天井桟敷という設定と、犯罪大通りというイマジネーション、そして数ある名セリフ。これらは常に普遍的に時代を超越して我々に降りかかってきます。フランス語はさっぱりわかりませんが、これだけ濃密で決して疲れないオペラはなかなか現代に至るまで見あたりません。映画、芸術、舞台演劇、オペラ・・・とてつもない普遍性を感じます。
2011/12/31 みゆき座
いや驚きました。
「午前十時の映画祭」に初めて参加して、大晦日の朝っぱらからこの映画を再び見たくて見たくて、早起きして行ってしまいました。
凄い凄い凄い。
何年前でしょうね。まだ十代だった頃でしょうか?この映画を見たときは、まだまだ若くて。この映画のガランスさんの良さがわからなかった。
おばさんでしょ。
なんでこんなおばさんにみんな惚れてしまうの???
むしろナタリーさんの方が健気で美しくて、どちらかというと私はナタリーさんの方が好き。
今もそれは変わらないんですが、でもやっぱり十代で見たガランスさんと、今見るガランスさんでは違います。
自分も年をとって、同世代の少し年配の女性の良さ美しさ魅力を実感できるようになったことで、この映画に対する思い入れが大きく変わりました。
ガランスさんのセリフひとつひとつが、とても人生の教訓めいていて、しかもこだわりがなく、あくまでも愛を貫く可愛らしさ。
男性の前で大胆に服を脱ごうとするシーンも素敵です。そしてシーツをまとってインド風にしてみたり。
要するに男性を俯瞰で見ている女性なんですよね。
だから男性は彼女に対して嘘をつけない。本当に惚れてしまうんでしょうね。
ああ、なんと美しいフランス映画なんでしょう。
マルセル・カルネはよくこの映画を撮れましたね。
戦時中の混乱の中で。
この時代は「決闘」制度がまだ残っていた時代です。
だから特に男性は強くなければならない。
女性に弱いところを見せることができない。
でもガランスさんの前ではみんなトローーーンとなってしまうんですよね。
魅力的な女性像が浮き彫りになる素晴らしい映画でした。
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