コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 初恋のきた道(2000/中国)

何て牧歌的な映画だ。ただ、こんなにも人は素朴に生きれるものなのだろうかという疑問も。
Pino☆

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 決して悪い映画ではない。素朴に、正直に、一生懸命に生きることの素晴らしさ、人を愛し続けることの美しさには、感動する部分もあったし、一種の恋愛ファンタジーだと言われれば、分からなくもない。

 けれど、人というのは、大人になればなるほど、そんなに単純には生きられなくなるものだ。自分の置かれている立場、社会的責任、周囲の環境、人間関係、そういったものに敏感にならざるを得ない。恋愛の障害だって、少なくはない。それに、電撃的に惹かれあった恋愛でも、少し時間が経てば、お互いの見方は絶対に変わる。恋のライバルだって現れる。それによって、恋愛だって、浮き沈みするものじゃないだろうか?(私の心が歪んでいるだけなのかもしれないが・・・)

 この田舎町には2人の恋愛を妨げるような雑音は殆ど無いのかもしれないが、周囲の声の一切を無視して、好きな人のことだけを考えて、一心不乱に突き進んでいくチャン・ツィイーの姿には、正直余り共感できなかった(死ぬまで愛し続けている姿は素晴らしいと思ったが)。純愛といえば、聞こえが良いが、悪いけど、ちょっと自分本位過ぎる。

 私には、むしろ、チャン・ツィイーよりも、両親のこと、仕事のこと、結婚のこと、色んなことに苦悩している息子の方に、共感を覚えた。ラストで、教科書を読み上げる息子の姿には、両親への深い感謝と愛情を感じた。もう少し母親に、息子の苦悩を理解する姿があれば、この映画の評価も変わったかもしれない。ただ、それだと、親子愛の映画になってしまうけどね。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。