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[コメント] シェーン(1953/米)

空の色が胡散臭いなど撮影はすばらしいとは云い難い、というか一貫性が感じられないのだが、アカデミーが安心して賞を授与できる水準にはあるのだと思う。ドラマ部分の演出の通俗さもこの程度なら許容範囲だろうが、少年の演技は(もちろん頑張ってはいるが)アラン・ラッドに対する思慕を十全に表現しえていない。
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おそらくスティーヴンスは細かいカッティングの在り方が分かっていなかったのだろう。前半の殴り合いシーンは見事なカッティングと粗い(いいかげんな)カッティングが混在しているのだが、しかしその混在ぶりがかえって面白く感じられる。人や小道具がいちいち大袈裟に吹っ飛ぶこと、派手な音響もよい。後半の殴り合いも同じく、奇異なカッティングと馬・牛・犬の使い方が、ドラマにあるべき緊張感にそぐわないチャーミングさを見せていて、私には面白い。

そのほか銃撃音響の過剰さやエライシャ・クックJr.殺害シーンでの「泥」の演出など、真っ当なB級魂を感じさせる部分こそがこの映画のよさだ。

(評価:★3)

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