[コメント] キャスト・アウェイ(2000/米)
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子供の頃、「15少年漂流記」や「ロビンソン・クルーソー漂流記」に熱中した人ほど、肩すかしを食う「漂流記」。だって主題が漂流生活にないから、しょうがないよね。そりゃ、「それから4年後」はないだろ!って思うわな。
そんな肩すかしを喰った人に「なんだかねぇ」と言われながら、しかも、早飛ばしされながらダイジェストで見ると、やっぱりその評価ぐらいの(いや、それ以上に、か?)重みとスピード感。「だって、ただ長いだけだぞ」とは解説者の言葉であった。
あっという間に、海にのみこまれて、あっというまに島にたどり着いて、それから4年、オレは脱出するぜー、ウオー、ザッパーン、あぁ、ウィルソンごめんよー、助かったー。それから4週間。「あの時、車を降りなければ…」「君は戻れ」「カウボーイ」。the end…。早っ!あっけないな。って感じ。これでコメントを考えろってか?ってのが最初のコメント。あまりにもゼメキスが不憫に思えたんで、いつか見る機会があったらちゃんと見てコメントしてあげよう、それまで封印。と思っていた。
偶然、うちのカミサンが借りてきたので、便乗して早飛ばし無しで見る事に。結論を知っているだけに、逆に漂流生活がサクサクと進んでいるような気がする。長いとは余り感じない。むしろ、早い。一気に山に登ったり、駆け下りたり、元気だ。絶望感が無いなぁ、なんて。でも、ウィルソンとの関係はこのスピード感がちょうどイイ感じ。彼との別れの時の懺悔感とその後の脱力感の意味がやっと判った。これは早送りされていた時は全く感じなかった感覚だったので、ウィルソンが小さくなっていった時はさすがに悲しかった。でも、ウィルソンにキャラを感じない人にはウィルソンはただのタイアップ商品で「あざとい」物以外の何者でもないっつーのもわからんではない。逆をついたタイアップ戦略だと思うんだが、イマイチ受けは良くなかったってあたりか?何気なくウィルソンのマーク入りバレーボールが使われてる方が嫌らしいと思うけどな、オレは。
全体的にいって、先のスピード鑑賞が効をそうして、案外よく感じてしまった感は否めない。けど、絶賛するほどの映画ではないし、内容も、単純に「漂流記」物語の方が楽しかったろうなーなどと思ってしまう。トム・ハンクスの一人芝居のうまさを論じたら高得点でもしゃーないかって感じだし、大仰すぎる(作り込み過剰すぎな)人間ドラマをいかがわしく見れば低い点だろうし、あざとさが気になりだしたら論外な映画になってもおかしくない。早飛ばしで見た時の酷さのギャップから4点と大見得を切っといて言うのもなんだが、やっぱり3点で十分かも。いかん、謎を解くつもりが墓穴を用意している。2点→4点の謎は謎のままにしといた方がゼメキスの為であったか。彼とあんなに頑張ったトムハンクスが不憫に思えるので4点のままに(←こんな情けこそが不憫とも言う)。
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