[コメント] キャスト・アウェイ(2000/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
◆劇場で観てDVDで再鑑賞した。やはり主人公の視点(墜落・山頂・珊瑚激突・虫歯治療)での撮影が見事だった。加えて、無人島以外の情報すら描かないのも主人公の視点に他ならない。
◆ゼメキス監督が何を訴えたかったのかを再検証してみた。それは決してサバイバルでもなく、操(みさお)でもないだろう。それはチャック・ノーランドが社会に復帰した時に言った「潮が何かを運んでくれる」に集約されているのではないだろうか?
・遭難して流されてきた荷物・・・どれもが一見役に立ちそうもないが、彼は余さず活用していく。
・羽根の絵が描かれた宅配便・・・その羽根は無人島を羽ばたいていく象徴として、これを持ち主に届ける使命を生き抜くモチベーションとした。ところが彼は絶望し、山頂での首吊り自殺を画策する。ところが、これに失敗して再び生き抜くことに目覚める。やがて帆になる漂流物によって脱出出来るようになる。帆に受ける風の力を信じて脱出を図るが、決して成功を確信していたわけではない。再び珊瑚で負傷する恐怖もあったはずだ。
・人は1人では生きられない。言うまでもなくウイルソンは5年間に及ぶ心の支えであり続けた。その無二の親友が漂流してしまい絶望する。生きる希望も失った彼はオールさえも流してしまう。ここで意外な友が登場する。クジラが励ましてくれたのだ。荒唐無稽だが理屈抜きでこのシーンは好きだ。
・人間社会に復帰、ケリーの結婚を知る事によって再び虚無感に襲われる。去ろうとしたクルマに乗り込んできたケリーに「戻るんだ。」と一言。彼にとって耐え難い決断だっただろうが、無人島での経験から彼女の幸せを願い割り切る。結果としてラストのシーンに結びつく。人生の十字路で選択した道は、きっと彼を幸せにするだろう。
人生に希望を無くしたとしたら、この1本を思い出したい。『素晴らしき哉、人生!』と同様、たかが映画と扱いたくない。
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