パロディという意匠を借りつつ（もちろん緻密な笑いもたっぷりだが）、これはＳＦエンターテイメントの復権を願う、真摯なメッセージとみた。つまりは「夢を与えようと思ったら、作り手側も本気で夢見やがれ！」って事。きっとそれが言いたかったんだと思う。にやけ顔の艦長がしだいに髪振り乱して、しまいにはハリソン・フォード張りの熱い男になってるんだもんなぁ。やっぱ役者こそいい夢見て、自分の役に誇りを持って素晴らしい芝居をして欲しい、そんな事を考えてしまった。

あの驚異的なオタクを初めとした、ある意味純粋ゆえに異質な存在にならざるを得ない人たちへの、愛情たっぷりの描き方も涙を誘う。前後十数年を考慮した上で、「ＳＦ・コメディ映画の傑作の一本」と言ってしまいましょう！