いやー笑った。いやーちくしょうしかも泣いた。演出も展開もエンディングまで何から何まで分かりきってるっつーのに。

この映画、もちろん子供が観てももの凄く楽しめるだろう。

でも、実はこの映画、バカ映画と見せかけ、ちょっと斜めに世の中と自分自身を見始めた大人たちへの目覚ましビンタな気がする。優しいけどかなり強烈な。少なくともぼくは力強いエールを送られた気がした。

トニー・シャルーブ演じる駄目親父フレッドがティム・アレン演じる艦長を岩男の場所から救い出して自信を取り戻すところと、アラン・リックマン演じる自尊心を失った無気力なアレクサンダーが自分を慕うサーミアン人が死ぬところで熱い気持ちを思い出して闘うところがいい。自分自身を忘れて、自信と自尊心や気力を失っていた大人たちがそれらを徐々に取り戻していく。

配役や小ネタもすごくいい。特にシガニー・ウィーバーが『エイリアン』シリーズでの強いキャラを逆手にとって、これでもかってくらいステレオタイプな頭の弱い金髪美女の役をすげー楽しそうに演じてるのが最高に面白い。やりたかったんだろうなあ一回。

最初はバカにしつつ観てたのに、演じてる役者（を演じる役者）たちが全員本当に楽しみながら面白い作品を作ろうと真剣にやってるのが伝わってくるから、こっちもどんどん楽しくなってくる。いつの間にか完全に引き込まれていた。

なんだか映画を好きになった頃を思い出した。