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[コメント] 雨(1932/米)

役者としてはサディを改心させようとする宣教師役を演じたウォルター・ヒューストンがミステリアスな雰囲気ももつたわる怪演で素晴らしかった。
わっこ

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南海の島で居合わせた娼婦を改心させようとする宣教師の映画。 雨が降りしきる南海の楽園を舞台に次第に対立する娼婦と宣教師とのドラマを中心に描いているが後半は展開がサスペンス映画を思わせるような恐怖感があり実に興味深い。 最初は娼婦サディと宣教師デヴィッドソンとの対立がどんどん悪くなってしまうあたりから殺人事件を起こすのかな?と思うような展開だったが、実はデヴィッドソンがサディを改心させようと洗脳してしまうという展開はさすがに想像できなかった。 このあたりは前半の伏線が上手く張られていると思う。 しかし、デヴィッドソンはせっかくサディを洗脳に成功して改心させる事が出来たのになぜわざわざ死んでしまったのかがわからない。デヴィットソンが死んだ後のサディのオチからするとサディが洗脳に掛かってる振りをしていたという見方もできるが、もしそうだとすればサディはなぜわざわざそんな振りをしたのかがわからない。少なくともデヴィッドソンが自殺してしまうような原因になりそうなエピソードが映画からはなかったので、今一つ話の終わらせるための強引さを感じる。この辺はやや説明不足。 役者としては娼婦サディ役、ジョーン・クロフォードは娼婦姿の時のケバイ感じの色気を漂わせるキャラと洗脳されてからのキャラの演じ分けがしっかり出来ていて素晴らしいが、個人的にはサディを改心させようと彼女を洗脳してしまう宣教師デヴィッドソン役、ウォルター・ヒューストンが不気味さまで伝わる怪演をしていて素晴らしかった。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)寒山拾得[*]

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