[コメント] イディオッツ(1998/仏=伊=デンマーク=オランダ)
画面いっぱいに広がる嘘偽りの無い世界。創りごとじゃない真実を思いきり突き付けられた感じ。口先だけの青い若者が氾濫する日本との差を思いきり見せつけられた想い。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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フォントリアー監督の信念が手に取るように伝わる興味深い作品。ビデオパッケージ等から奇抜な作品のような印象を受けがちだが、とても素直で根源的な作品。若者集団がわざと白痴を演じることにより生まれる衝動や軋轢を見守る実験的要素に加え、彼等より世代が上の現実に行き場を失ったヒロインが、しだいに精神的解放を見いだすシチュエーションが絡むことにより、きちんと物語が生まれている。無軌道に粗雑に撮っているようで、きちんと貫き通された主軸が作品に通っているので、観ていて疑問を抱かせず最後まで魅せる。個々のインタビューシーンの挿入も嫌味が無くスムーズに見られる。ゲームを辞めて若者たちが、すんなり元の世界に戻れるのにヒロインが現実生活を拒絶してしまうのがリアル。いさめようとする彼女の家族の台詞の方がクレイジーに見える。集団のリーダー格の青年(イェンス・アルビナス)が投げ付ける社会への警告を暗示する言葉がナイフのように胸に突き刺さる。北欧の緩い陽射しを捉えた映像と巧妙な構図もArtisticで見応えあり。
「健常者の物の見方はどうかしてる!」byアルビナス
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