でも、新撰と言われつつもあまり真新しさは見られなかった。 多くの出演者が違う場面で違うエピソードを展開し、最後全部が繋がるといった映画は最近よく目にするし、(『マグノリア』『マイ・ハート、マイ・ラブ』)、おとぼけマフィアを書かせたらクェンティン・タランティーノの右に出るものはなし。特に、良くしゃべる殺し屋ブレット・トゥース・ジョニーのキャラクターは、『レザボア・ドッグス』か『パルプ・フィクション』！これにスティーブ・ブシェミが出ていたら、間違いなく見違う。

しかし、ガイ・リッチーがすごいのは、マドンナをものにした事だけでなく、失敗せずに映画を作り、それを見せ付けた事。この手の趣向に手を出し、ことごとく失敗する監督を尻目に、スピード感をプラスし、低予算でこれだけの作品を作ってしまうのだから、映画関係者のみならず、映画ファンの言霊に触れる事はいわずもがな。

キャラクターがしっかり、生き生き描けていたし、無理のない落ち。場面場面がピシッと決まってたので、13人のキャラクターがいい味を出し切っていた。あまり映画が長くないのもいい。

個人的には、あまりにもあっさり大好きなベニチオ・デル・トロ様が殺されてしまうのが残念だったけれど、『ラスベガスをやっつけろ』に負けるとも劣らない間抜けたベニチオ・デル・トロ様を見れて、良かった。

しかし、ブラッド・ピットを宣伝の目玉にしたい気持ちは分かるけれど、ポスターの正面に陣取って欲しくなかったわ。