中盤のドイツ飛行船の重量減らすために飛び降りた面々がどうなったのかを、全く顧みられないのがまず馬鹿げている。主演の兄弟は喜劇俳優にしか見えないし、昔の対決の私怨引っ張る捕虜劇はくだらないし、弟射殺する兄は信じられないし、弟の最期はひどい三文芝居だし、ジーン・ハーローはただの性格ブス。いったい、何を愉しむ映画なんだろう。

空戦シーンはドラックが前転するショットと飛行機同士の正面衝突がすごい。こういうのは別に監督の才覚がなくても、美術の物量とキャメラマン・エディターの才能でどうとでも撮れるものに違いない。当時のホークス映画にもいいのがたくさんあった。スタッフが充実していたのだろう。