[コメント] 回路(2001/日)
怖い映画は大嫌い。でも怖いってなんだろう。単に観客を恐がらせようとするだけでなく、監督が「本当の恐怖心」を真摯に探求しているのがすごく伝わってきた。そして自分を実験台にその研究に付き合うのも悪くないと思えてきた。
お化けに殺されるから怖い訳じゃなくて、相手が何を考えてるのか判らないときが一番怖いのかな。確かに自分が一番怖いお化けが“のっぺらぼう”なんだけど、のっぺらぼうって感情が見えないからだと思う。むしろ恨みとか憎しみを出してくれれば、まだマシだと思う。
開かずの間で、女の人が奇妙な動きでカクカクこっちに来たときは本当に怖かった。今思えば、その後ソファ越しにこっちを見てたときの方がまだ怖くない。カクカクした動きの、目的の不明瞭さが怖かった。
子供のころ、友人と一生懸命「自作の怖い話」を考えたけど上手くいかなかった。今でも自信がない。恐怖心はイヤな感情だから自分自身、深く掘り下げることをしないからだと思う。監督はそれを本気で解明しようとしているんだなぁ…。
今でも夜道を歩いていて、黒いシミにドキッとする。友人と映画館から帰る途中「もし家の玄関に赤いテープが貼ってあったら、イタズラでも入れないよね〜」と言っていた。絶対入れないなぁ。
世界がからっぽになる終盤のカタルシスも良かったが、自分は前半の究極の恐怖感さえもなぜか心地よく感じてしまった。もちろんそんなの観終わってずっと経ってからだけど…。
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