[コメント] くちづけ(1957/日)
淡い恋心。
2つの孤独な魂の交錯による若く鮮烈な恋物語。
なんだ知らないだけで昔の日本映画にはこんないい作品があったのかーとすっかり感心。『青空娘』ではつらいのに無理に明るく振舞う青春像を描いて空回りしている感のあった増村保造だが、こっちでは暗いものは暗いんだと開き直ったのが良かったのか、自然な感じに仕上がっている(どっちを先に撮ったのか知らんが)。
これより1年前ではまだ子供すぎ、この1年後では分別臭くなりそうな川口浩の微妙な不安定感がこの作品での最大の収穫だ。もちろん野添ひとみの悲しげな瞳もよい。“トランジスタ・グラマー”(意味不明)の水着姿も。
大人になる前の短い期間にしか経験できない淡い恋心を描いた傑作として、長く記憶に残る作品となりそうだ。
80/100(01/03/13記)
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。