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[コメント] セリーヌとジュリーは舟でゆく(1974/仏)

ガール・ミーツ・ガール。あるいは、ガール・ロスト・ガール(なんて英語ないですが)映画。めくるめく、少女再構築映画であり映画再構成映画。
ALPACA

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画はドゥールズが「フランス映画の最高傑作」と言った。とか、「即効演出された」という言葉だけが一人歩きされて大いに誤解されている。

ただただ、まさしくアリス的世界の徘徊を美しく楽しむ映画だ。また、即効演出というのは、短い演出部分においてなされたのかもしれないが、全体の構造は見事に計算されている。

と、ここからは、観てもらいたい、あるいは観たつもりになってほしいという勝手な理由で、まさしく映画の内容に触れています。

少女が少女と出会い、不思議なキェンディで出かける二人が作る架空の世界。それは、何度も何度もくりかえすことで、男を巡る少女毒殺の事件であることを二人は知り、そこの世界で二人は一人の看護婦に変身をして少女を助けようとする。。そして、素敵なタイトルのセリーヌとジュリーは舟でゆく。というのは、この二人が、物語を救った、自分であるところの「ひとり」を舟にのせるのだ。この美しい場面は、カタルシスでも、衝撃でもなく、再確認のようなものかもしれない。

しかし、なんども少女映画で繰り返された、「少女は自分を発見し、旅たつ」などという言葉もまた、見つからなかったパズルの一片のように、この映画にこそ、ぴったりとあてはまってしまう。

(評価:★5)

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