[コメント] 恐竜100万年(1966/英=米)
大傑作。普通なら全編に説明ナレーションが入るのだろうが、ほとんど何もない。ただラクエル・ウェルチが「トマク」とか「シュタク」とか言って、恐竜が咆哮するだけ。この潔さはしびれるほどに美しい。
「恐竜と人間が同時に登場する、科学考証ゼロのバカな映画」とは一切思わない。作り手は本気で客を恐竜の生きる古代に引きずりこもうとしている。その志、高し! だってどうせ恐竜が出てきても、その問答無用のド迫力に、客は突っ込みすら忘れてしまうのだ。この映画のありようは正しい。オレには確信があります。
CGによる表現で映画に革命を起こした『ジュラシック・パーク』は、その上映時間の半分を人類と恐竜が絡むことの言い訳に費やしていた。映画って退化してるのかもしれない、と思った。『恐竜100万年』の恐竜たちは、映画を観たその日の夜のオレの夢にすぐ出てきたけど、『ジュラシック・パーク』の恐竜たちはちっとも出てこないんだ。
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