それは、主人公の恋人の名前にも現れている。”エイドリアン”からも伺える。

また、本作はオンナである主人公が男性そのもののイメージすらあるボクシングという競技で、事もあろうことに、オトコの恋人に勝つという定石を覆すオチが待っている。

また、『ロッキー』の試合シーンは非常に大味でドラマチック。一方で『ガールファイト』の試合はＫＯもなく、カメラワークにも面白味が無い。

その上、主人公に感情移入しまくるのが『ロッキー』で、感情移入出来ないのが『ガールファイト』。

たいがいのボクサーなんかは野卑で粗暴な学生時代を送ってきたであろう。同級生なんかは「あんなヤツが有名になっていくのが我慢ならない」と思うのが常だろう。

この主人公もそれは同じ。だからボクシング映画としては断然『ロッキー』よりリアルなのだ。

タレ目だが、スクリーンから挑みかかるようなガンつけ。この主人公に感情移入出来る人はまず少ないだろう。誰だってお付き合いしたくないタイプ。

だが、恋人エイドリアンとのKissシーンでみせる恥じらいある表情の彼女は最高にカワイイ。

更にラスト・・・「本気で戦ってくれて有り難う」・・・ダイアナのキスは最高に輝いていた。