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[コメント] 狼 男たちの挽歌・最終章(1989/香港)

また見つかった。何が、永遠が、銃弾としか溶け合えない、男たちの魂が──ッ!
林田乃丞

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 もう何がすごいって、まず銃撃戦に巻き込まれた少女を治療する医者がすごい。横で知らん男どもが拳銃向け合ってんのに淡々と目の前の小さな命を救うことだけに神経を集中してる。この医者は、自分が何をすべきかわかってる。この映画が命に対して本気だってことだ。

 だからジョン・ウーは殺し屋が死ぬラストシーンで、殺し屋に微塵の救いすら与えない。どれだけ仁義に厚かろうが信念を貫いていようが友情に身を捧げようが、ジョン・ウーは、戦いが終われば、殺し屋を、殺す。その殺し屋が命懸けで守ろうとした女には指の一本さえ触れさせず、無残に殺す。なぜなら、その女を傷つけたのもまた、殺し屋だからだ。ジョン・ウーはその罪を赦さない。

 これは、神の視点だ。マリアは砕け散った。

(評価:★5)

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