コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001/日)

過去を振り返るな! 未来を生きろ! 凄いぞ。この映画。→
すやすや

 ゲーム会社という特殊な職場環境のせいか、私は割と世間で”オタク”と呼ばれる人と話すことが多い。この映画の”20世紀博”のようなネタでもしょっちゅうおしゃべりをすることがある。しかし、世間話程度ならいいのだが延々話しているとヘキヘキしてくる。同好の趣味のオフ会やサークルでの飲み会も、最初のうちはそこそこ楽しいのだが、やっぱり延々としゃべっているうちに嫌になってくる。  よく、まわりのスタッフは、「○○さんは、映画とかガンダムとか好きなんだからそういうサークルに参加すれば楽しいんじゃないんですか?」とか言われるが、否、ごめんこうむると思っていた。しかし、なぜ、嫌なのか理路整然と説明することができなかた。もやもやとしたよくわからない感覚だけが残っていた。

 この映画は私のこの感覚を見事、作品として説明してくれた。  そうだ。オレが嫌だと思っていたのは、”20世紀博”に閉じこもり昔を懐かしがり、現実、そして、未来と向き合おうとしていないオトナが嫌いだからなのだ。

 と書くと21世紀世代のような書き方だが、私は万博世代よりはすこし若いが20世紀世代ドンピシャ世代である。2000GT、コスモ、テントウ虫スバル、怪獣映画、魔女っ娘、70年代ギャグ、全編グッっとくるところだらけである。ハンパなオタクよりも70年代アニメ、特撮等は全然詳しいし、「プロジェクトX」見てボロボロ泣く男である。

 我々は21世紀に生きているのである。  チューブがはい回る都市、エアカー、宇宙旅行、どれも実現されなかった21世紀にである。  そして、人々は自分のことだけを考えて、ゴミにまみれ、ニオイのなくなった21世紀にである。

 子供の頃描いた未来とは違い、日々仕事に追われ平々凡々とした現在が21世紀である。  しかし、コンピュータは予想以上に小型化され、みんなが携帯電話をもち、二足歩行ロボットがどうにか歩き始めた。

 現在と未来は常に変化し続ける。  変化を加えているのは誰か?

 今を生きている我々である。  どんな小さい一歩でも、どんなにつまらない一歩でも、未来に一歩を踏み出す勇気のある人の目は輝いている。そういう人々が新しい未来を切り開いていく。  私はそういう人が好きなんだ。

 この映画マジで凄い。こんな深遠なテーマを子供向けのアニメでやっちまった。  作品のテーマということでは『千と千尋の神隠し』よりも、こちらが数倍上。  天皇ジジイを駆逐する作品が出てきたことは日本アニメも世代交代の時期か。  21世紀も悪くないぞ。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (29 人)きわ 山本美容室[*] こしょく[*] もがみがわ mimiうさぎ[*] starchild[*] あき♪[*] ina[*] ロボトミー[*] WaitDestiny[*] おーい粗茶 マリー[*] 甘崎庵[*] washout[*] ナム太郎 じぇる[*] ペペロンチーノ[*] chilidog[*] ミュージカラー★梨音令嬢[*] Keita[*] sawa:38[*] k5001[*] ジョー・チップ[*] ジャイアント白田[*] ハム[*] ピロちゃんきゅ〜[*] はしぼそがらす[*] ボイス母[*] アルシュ[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。