[コメント] クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001/日)
ジャパニメーションだとかいう変な権威付けもあってか、 世紀末の懐古の風潮は、確かに一種異常に見えた。 そこのトコロよく描けていたんじゃないかな。
クレヨンしんちゃんシリーズは、アニメの特性をフルに使ってて毎回楽しませてくれる。
これはピノキオネタなのかな。遊びの島でロバにされる‥だったっけ?
■雑記>
とりあえず、万博に幼稚園生くらいだったら、現在40歳弱だろうけど…。 ひろし夫妻は30前後にしか見えないです。 公開当時 幼稚園児の子持ち世代だと、平均的に万博後の生まれだろうし…。
‥微妙にズレてるなぁ。
けど、実際、万博世代… '5,60年代生まれが、「あの世界」に浸りたいと思うのかは疑問。 ステレオタイプ過ぎというか‥。 「刷り込まれたなつかしさ」をそのまま原風景として描いているから、 このようなズレがあるのだろう。だからこそのズレなんだろうな。
「懐かしさ」ではなく「憧れ」。 「原風景」ではなく「原風景っぽい異世界」。 つまりヒーロー・ヒロインの世界と同質の。
もっと言うと、松本零士や石ノ森章太郎等が、'70年代頃に描いていた作品のような世界って事だ。
…
ところで、あの世界に50歳以上はいないのか?
子供とともに残された定年前後の方やご老人は?? これは映画の中のリアルさ追求だとか小さな問題ではない。
モーレツに生きようと心がけるのは大変結構なのですが、 万博を成功させたのは、モーレツ時代を生き・作ったのは、ひろしの世代ではない。 その上の世代、そのまた上の世代のはず。 ひろし世代はバブリーな時代にぬくぬく生きてきたはずだ。 その事に全く気づかずに、この映画に熱くなっている大人のひよこには、危惧さえ ちょっと芽生えます…。 「大人である自分」に酔ってるようで、なんか子供っぽいなぁ‥。 「大人」の一言にも何十年って幅があるはずです。
親の世代以上の欠落という意味では『千と千尋の神隠し』と同程度に子供向け。 視聴対象が子供ならば、親以上の年齢を含め、一緒くたに「大人」でも問題ない。 ちなみに子供向けだとしての評価なら、私は宮崎駿を選ぶ。 『千と‥』の比喩で言うと、両親を豚として子供に見せる必要はない。
この映画を見てヒートする親を見た子どもは、物語後半のひろしにでなはなく、冒頭のひろしと親とを重ねるだろうと思う。 それは、色々な形でトキワ荘住人が、過去を総括するために描いた作品群。メッセージ的には本作と同種の決断をしていた(と思う)。それを見ていながら、本作を新鮮に評価する今の20〜30才代があまりに多いようならば、そのメッセージは伝わっていなかったのだろう。単に見てなかったんだろうと思いたい。
■追記<020414>
気付いたかな‥。
しんのすけが階段を駈け登るシーン。全力で必死な姿に涙…転びなお立ち上がる姿に涙‥ってところなんだろうけど…。
カメラは常に一定速度で動いている。
これは客観的に見ると、目の前のカメラに追いすがるような構図になる。 「無情に過ぎる時間」の比喩でもあるのだろうけれど、私はこれに遅れまいと足掻く姿を連想させられた。目まぐるしく変わる流行や、終わらない塾のハシゴを。
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