[コメント] A.I.(2001/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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なんでいまさら?それは書き忘れていたからさ。
はじめてパソコンを買った時にそのカスタマイズ出来る事自体にこれはとんでもない代物が出てきたと思って興奮した。20年前の事だ。その時中古で25万もしたシャープのパソコンはハードディスクどころかフロッピーもなく、なんとOSはカセットテープを読み込ませ、その上でアプリを違うカセットテープからロードするといった物でしかも漢字変換なぞなし。真っ暗な画面にミドリのドットをどう点滅させるかという代物だった。4日かけて作ったプログラム(カレンダー(笑))をセーブしたらテープがからみついてしかも凍ったという悲しい想い出がある。
・・・それから20年後(A.I.でいう2000年後な)・・・・今や見も知らぬ者同士が電話回線やケーブルを使って共通の映画を語っている。しかも限られた技術者ではなくやろうとおもえば世界中の誰とでも。こうして俺の20年前の悲しい記憶もここを読んでいる人達に伝わったわけだ。あの時、完成したプログラムをランさせた夢を見させてくれ〜。
自分がパソコンを始めた時はほとんどの人がパソコンに対して疑惑があり、ニュースでもコンピューターによる暴走!とか機械に頼りすぎて人間はダメになる、とかいったネガティブな意見が多かった。挙げ句の果ては会社に入社したとき「コンピューターもやってます」と言ったら人事に「あ、オタクなんだ」などと言われる始末。結局人間は未知の物に対して拒否反応をまず示し慣れてくると過去の恐怖に駆られた人達を笑い飛ばすものだ。
さて、そしてそのA.I.が現れる近未来だがこれほど悲惨な事にはならんだろ、とは思う。ハード的には初期にそういった事例が出るだけでそれはバグ取り作業と言えるのではないか。出来の悪い漢字変換ソフトを買って最初に変換した文字でそのソフトの出来を判断するようなもんである。学習させたり登録したりすりゃいいんだ。食い物を食べて故障したりプールに落ちたりしたシーンは、まさに買ったばかりの漢字変換ソフトに文句を言っている様に感じた。
又、壊れかけたロボット達がパーツを漁ったり命乞いをする、これはおかしい。わざわざロボットに「生き続けようとする」プログラムは必要ないはずだ。人間や動物にその能力があるのは「生き残った者が子孫を残す権利がある」プログラムを〈どこかの誰か〉がしたから(お、いきなり宗教勧誘か?)。デイヴィット君達にそれがあるとは思えない。まあ、話をロボット側に感情移入させたかったからだろうが。
極論すると「愛」とはこの世界に自分の何か(普通は子孫)を残す為に行われる行為でありプログラムだ。彼にはそういった行為は必要ないはずだ(つまり母親に守ってもらい、やがて子供を作り今度は自分が愛し守る事)。そして一番の問題---「愛」というプログラムをどう組むのか?これは20年どころか200年でも無理だ。2000年後ならなんとかなりそうだが。
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