[コメント] ドリフト(2000/香港)
アクションに関しては、世界最強。
『攻殻機動隊』を実写にしてソフィストケイトした様なその縦横無尽ぶりに、脱帽どころかパンツまで脱ぎそうになる。ジョン・ウーも及ばないスタントの極致。
ジョン・ウーと言えば、当映画にはジョン・ウーへの挑発ようなカットがある。ドレッドと彼が襲撃した場所の警備員が銃を突き付け合うシーンだ。それをこの映画もわざわざ用意しているわけだが、問題はその後だ。
警備員「これで五分だな。」
ドレッド、すかさず発砲。そして…
ドレッド「先に撃ったほうが勝ちなんだよ!」
捨て台詞を吐いて立ち去ろうとするが、わざわざ戻って来て死体に弾を打ち込み、唾まで吐きかける。ウーよ、おまえのスタイルはもう古い! とでも言わんばかりだ。
旧友に対する挑発に劣らず、スタントは結実しているのだが、一方でドラマは散漫だ。新しさを追求しようとして追求しきれなかった当映画のテーマは、結局こう落ち着く。
“善人に戻るのはどうして難しいのだろう?”
つまりは、香港時代のジョン・ウーが語りつくしたテーマだ。結局ツイ・ハークはアンチから始めて、アクション過多の果てに回帰してしまった印象だ。プロローグのエピソードには、新しいドラマの可能性を感じたのだけれども…
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