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[コメント] 激動の昭和史 軍閥(1970/日)

いわゆる「司馬史観」の影響下にある作品だろうか。まぁそんな事よりも・・・
sawa:38

2・26から8・06まで概史を描きながら、「沖縄」をまったく描かなかった特異性は翌年公開予定の『沖縄決戦』を見ろってことか?

壮大なダイジェスト版に成り下がってしまうところを東條英機小林桂樹という一人物に対象を絞ったことで何とか2時間の「映画」に収められた。無茶といえばこれほど無茶はない。

そんな中でも毎日新聞記者新井加山雄三の報道統制に対するペンでの闘いを描きドラマ性を高めるなど、娯楽性をも盛り込んだ姿勢は高く評価したい。

そしてそれがフィリピン航空隊の黒沢年男の名台詞に繋がるのだから、この作品なかなか練られているなと妙に感心させられてしまう面もある。

軍部の検閲をかいくぐり新井は「負ける戦は止めるべきだ」と記事を書いた。当時これは命懸けの行為であろう。そんな英雄とも言うべき新井に彼は言い放つ。「じゃあ、勝てる戦ならやってもいいのか!日本に勝って欲しいと思う奴は皆死刑だ!」

うーん、たかがB級作品だと高を括ってたら、いろんな史観が出てくる。やはり練られてるのね。妙に感心させられた・・・

PS.ドキュメント映像と『太平洋の嵐』の真珠湾攻撃シーンを流用していましたが、どうせならすべてをドキュメント映像だけに絞っても良かったんじゃなかろうか?

(評価:★3)

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