[コメント] 十二人の怒れる男(1957/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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背景は米国、そして人種という点があるが故に「対岸の火事」のような視点で観てしまいがちだが、、実際は全ての人間が何らかの偏見を持っているというあたりまえの事実を表しているにすぎないと思う。
どれだけ客観的であろうと努力しても、偏見をなくすことは出来ない。「アメリカは人種差別とかがあってやだねぇ〜」などといっている人(日本人)が、白人に対し「外人さん(※)」と敬意を込めて(?)呼んでいるのに対し、アジア系・黒人に対する態度は何だろう。不法入国者が多いだとか、犯罪者が多いなどという先入観が無意識にそうさせる。
私も、偏見まみれの人間であろう。そうではないと思っていても、無意識のうちに、自らの経験や知識を元にして、人を判断しようとする。私に出来ることは客観的であろうと「努力する」ことのみである。その努力こそが、「無罪」と言う姿であり、そして最終的には「有罪」と言っていた者も努力する結果になるのである。
この映画は誰にでもある「偏見」の恐ろしさと、「努力」の必要性を教えてくれる。
この映画の日本版(?)『12人の優しい日本人』もまた、「偏見」の恐ろしさを教えてくれる名作。パロディという視点でなく、首を傾げながら見られる作品だと思います。
※ 「外人さん」と、さん付けで呼んでいても「外人」という表現は差別用語ととられかねません。外の人、つまりは「よそ者」「アウトサイダー」という響きがあり、「受け入れられていない」という印象を相手に与えます。「外国人」と呼ぶのが好ましい。(というのも、昔、日本語が達者な外国人の方と話していて「外人と呼ぶな」と怒られた経験があります)
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