[コメント] ブロウ(2001/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
実在の人物を元に麻薬密売人の人生の絶頂と転落が描かれているが、何分、ジョニー・デップ演じる主人公ジョージ・ユングが少々美化して描かれていて、悪いことをしているのに、善人にしか見えず、親しみのあるキャラになってしまっている。
全体的としては主人公ジョージは、性格は誠実で優しい男だが、真面目に働いても金持ちになれず、妻から冷たく観られる父親のようになりたくないという思いから、麻薬密売に手を出して、成功し、それに味をしめたため、何度人生を失敗しても、その再起のために麻薬の密売に手を出して深みにはまっていくというストーリー展開で、常に幼少時の彼と両親との体験が現在の彼の行動に反映されていっているところが面白い。
ただ、一度は麻薬密売人の頂点に立った以上、密売以外にも阿漕なことや残酷なことはやっていると思うのだが、それが全く映像として描かれず、ただの青春ドラマや家族ドラマとして、きれいな部分しか描かれていないのは不満。
これでは映画だけ観ると、彼が悪いことをしていないのに、仲間が裏切ったため、捕まったように見えてしまう。
とはいえ、ジョニー・デップの演技は相変わらず見事で、麻薬を肯定的に描いていなかったら、とんでもない感動作になったであろうと思われる。後、ラストで実在の主人公のひどい顔写真を出したのは、ジョニー・デップとの顔のギャップにかなり引いてしまう。
役者としては、ジョージの最初の妻バーバラを演じたフランカ・ポテンテが出番は少ないながらもキュートな女性の魅力を発揮していて、印象深かった。
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